和歌山にきました。
りょーすけです、こんにちは
1日を50円で売っていたところ、市議会議員の方から「人生相談がしたい」とお呼びがかかったのでやってきました。・・・ぼくになにができるんだろう
最近は都知事の汚職事件がさわがれていますが、市の議員さんはどんな生活をしているんでしょうか?
せっかくなので1日密着してみて、地方税の悪用とかやっていたらぶちまけていこうとおもいます。
ちなみに、ここまでくるのに電車とバスで7時間かかっているのでとても体調が悪いです
では、待ち合わせ場所へ。
学校らしきものが・・・・
市のお金で勝手にぶち建てたのでしょうか
スタッフさんらしき方に名前をつげると、奥の教室に案内されました
「はじめまして。新宮市議会議員の並河です。わざわざ東京からおこしいただきありがとうございます。1日を50円で売っていらっしゃったので、わたしが普段おこなっていることをみていただた上で、人生相談をさせていただけたらとおもいます」
「いえいえ、こちらこそご依頼していただきありがとうございます。まあ、欲をいえば公用車の一つや二つ用意してほしかったなっておもいますけど」
「そんな権限ないです」
(チッ)
「・・・・。」
「えっと、そちらの方は?」
「このフリースクールに遊びにきているくーちゃんです。彼女は中学3年生なのですが、せっかく東京大学の方に来ていただいているので、先に彼女から人生相談をさせていただこうかなと」
なるほど。
並河さんはフリースクールの運営を普段からお手伝いされており、くーちゃんは、遊びにくる小さい子どもたちの相手をしてあげていました。
並河さんの相談は、夜にきくことに。
女子中学生・くーちゃんの悩み
「いま彼女いるんですか?」
「ぶっこんでくるね、君。いないです」
「くーちゃん。そういうのはシー」
和歌山の大自然で育ってきたからんだから、もうちょっとやわらかくてもいいんじゃない?
「この新宮にある高校は公立が2校、私立が1校なんです」
「えっ、それってけっこう少ないですよね?」
「よその地方でも、おおよそ似たような状況だとおもいますよ。実家から通うとなるとこの3校にしぼられて、1、2割ぐらいの生徒がそのまま就職するんです。残りは大学や専門学校へ進学する子たちですが、新宮市には2時間以内にかよえる大学がありませんので、ほぼ全員が家をでていくことになります」
「家からかよえる大学がないとは・・・」
予想以上に、都市と地方のちがいって大きいのかも
「くーちゃんはさ、将来の夢ってなにかあるの?」
「うーん、国語の先生になりたいですね。本を読むのも子どもと接するのも好きなんです」
「おお、いいね!国語の先生か!」
「はい。でも時々、勉強に身が入らないのが悩みなんです。国語ならいいんですけど、英語とか数学とか、『なんで勉強しなくちゃいけないんだろう』っておもっちゃうんです。外国の人としゃべるわけでも、海外に移住するわけでもないじゃないですか。将来は新宮からはなれてないところに住む予定ですし」
「あ~。全国の95%ぐらいの中学生が直面している問題だね」
「りょーすけさんはどんなモチベーションで勉強されてたんですか?」
「ぼくの場合はほかにやることがなかったですから・・・。ただ、どの科目も勉強していけば、なにかとつながるんだなって思いますね」
「つながる?」
「うん。いまやっていることが将来どう役にたつかってわからないじゃない。後になってふりかえってみると「ああ、あの時にああしておいてよかったなあ」ってなるかもしれないでしょ。勉強だけじゃなく、なにかする時にいつもそういう姿勢でいるとお得なんじゃないかな。詳しくは『スティーブ・ジョブズ 伝説のスピーチ』で検索してください」
「わかりました」
フリースクールを探検してみよう
くーちゃんの相談がおわると、学校の中の探検へ。
こちらのピアノは、水害でダメになったやつをテーブルとして再利用したもの。
子どもたちが遊ぶミニ四駆用のサーキット。お兄ちゃんの改造マシンにボコボコにれた思い出がよみがえる
和をイメージした教室。
中にあるベッドは寝泊まりにも使えるそう
女子教室。撮影しちゃだめらしい
男性の教室。畳がいい味だしてますね。
こちらのベッドは手作りみたい
「めちゃくちゃ素敵ですねここ!昔の学校をこんな風にアレンジするなんて、ぼくが子どもだったら毎日きてますよ!」
「はい。子どもたちからはかなり評判がいいみたいで、おもいっきり遊んでいます」
ちなみに和歌山県の下水道整備率は全国ワースト2らしく、流し台の水はそのまま川に流れてしまうらしい。
「ご飯を食べおわったらお皿にお茶をいれて、指でお皿についている食べ残しをこすって溶かし、そのまま飲みほすのがここのしきたりなんです。少しでもお皿に食べ物がのこっていると、川が汚れてしまいますから」
「下水設備一つとっても、こんなに地方と都市で差があるんですね」
「ええ。さて、次はスラムを案内します」
「すらむ?」
移動すること5分。
小学校のサッカーコートぐらいの広場に到着しました
「こちらはフリースクールを運営されている方の私有地でして、なにか楽しいことがでないかな、と」
「へえ~!広くていい場所ですね!ダンボールとかつかって簡単な秘密基地つくったら、子どもたちも飛び跳ねて喜びそう!」
「あ、いえいえ、もうちょっと規模を大きくして」
「コンクリートで建物を建設中なんですよ」
「・・・・。」
「ちょっとした小屋も手作りしましてね」
「どうですか?」
「けっこうマジですね。市議会議員っぽさがまるでないな」
その後は、フリースクールで飼育しているヤギやニワトリの世話をさせていただくなどして、あっというまに夜に。
市議会議員・並河さんの悩み
この日は、「泊まれる図書館」がコンセプトのゲストハウス「えんがわ」に泊めていただくことになりました。市議会議員さんになにを相談されるんだろう・・・
(左の方はオーナーのユウダイさん)
「それでは、人生相談をお聞きしていこうとおもいます。ずばり、並河さんの相談はなんでしょう?」
「はい、このゲストハウスでアルバイトしてくれる方をどのように探せばいいでしょうか?」
「・・・・・・・・。」
それだけ?
「ちょっと待ってください並河さん。ここ和歌山ですよ?」
「知ってます」
えええええええええええええ
「・・・・・ってまあ、そうですよね。『今度ダムをつくろうとおもうだんけど予算見積もりから建設計画までやってくれ』って言われたらどうしようっておもってました」
並河さんはこちらのゲストハウスでもお手伝いをされているらしく、オーナーのユウダイさんといっしょに、どうすれば運営に携わってくれる人が増えるかを考えているらしい。
「主体的に運営を手伝ってくれる方がほしいですね・・・」
「若い方がのぞましいんですよね?新宮市付近で募集をかけてみてはいかがですか?・・・・・あっ」
言ってから気づいた。この近くには大学がない。大学生がいないんだった
「長期休暇中だったり休学している人が候補になりますね。そうすると和歌山以外でも募れますから。夏休み中に数日、とかでも助かるんですが・・・」
「このゲストハウスで住みこみで働きつつ、並河さんから地方政治の生の話を聴けたりするんですか?」
「はい。実際過去にインターン生をとったときには、政治やゲストハウス運営の深いところまで意見をだしあっていました」
えっ、そういうの好きな大学生けっこういそう!
「新宮って、市としてはどんな状況なんでしょう?」
「人口でみるとピーク時は4万5000人でしたが、今は3万人です。安倍政権が地方創生をかかげたように、とくに若者が流出していますね」
「主な原因って、なんなんですかね?」
「若い人が好むような仕事がないんだとおもいます。たしかに、安定している正社員の雇用は少ないですから。ですが、福祉系の仕事は求人が多いですし、和歌山には世界遺産もありますからね、観光客をねらったゲストハウス運営とかもできなくはないんですけどね・・・。やっぱり、ハードルが高いみたいです」
地方からの若者流出。
ぼくもしばらく地元の茨城にかえってないけど、こうして直面すると深刻なんだな
「市議会の方たちは、いまなんの政策をやられているんですか?」
「巨大な複合施設をつくることになっています。
図書館や市民会館といった文化施設が同時に老朽化しているので、50年に一度レベルの予算をたてて計画しているんです。最初は55億円で見積もりをしていましが、調べていくにつれて、もっとかかりそうだなと」
「金額が大きすぎてイメージがわかないな・・・。建て直すことで、観光客を増やしていこうとしているんですか?」
「まさにそこが、曖昧になってきているんです」
「最初は展示などもつくって誘致しようという計画だったのですが、いまは財政的に市長がそれを切ろうとしていて。財政を考慮してもらえたのはよかったんですがね」
「そういう時って、議員のみなさんで団結して案を押し通したりできないんですかね?」
「できません。予算の提案は市長だけの特権です。提出された予算案の増減は議会もできますが、そもそもの0から1への提案は市長しかできないんです。議会が予算案をつくることができないんです」
「市長さんってそんなに権力もってたんだ。東京都知事は国家レベルのお金を動かせるってどこかで聞きましたけど、地方でも相当なんですね」
「議会全体でも、今回の複合施設が住民向けなのか観光狙いなのかがはっきりできていないんです。『にぎわいを町に取り戻すんや』『複合施設たてるんや』みたいにあやふやなまま進んでいっているのが現実です」
「ふむ・・・・地方の政治って、こういうリアルなものを見られるのがいいのかもしれませんね。」
「はい、まさにおっしゃるとおりです。地方の政治はまだぐらぐらしていますよ。来ていただければ『自分でもなにかできるかもしれない』と感じていただけるとおもいます。私の方から市の職員さんに直接アポをとることもできますし、ゲストハウスの運営だって、外国の方と接するチャンスなんですね。めったにない楽しい経験をすることができるはずなので、インターンやアルバイでなくとも、まずは遊びにきてみてほしいですね!」
「うんうん」
「で、肝心のPR方法なんですが・・・」
「安心してください、並河さん。もう記事にできてます」
「なるほど!」
翌朝、並河さんとくーちゃんに見送られて今回のご依頼は終了。
東京から7時間かけていった和歌山には、フリースクールやゲストハウスのお手伝いをしつつ、市のことを一生懸命考えてらっしゃる並河さんの姿がありました。
なにげなく暮らしている地域を、こうやってかげで支えてくれてる方がいるとおもうと、なんだか胸が熱くなってしまいます。
並河さん、汚職を疑ってすいませんでした!
おしまい